【箸休め】音楽という概念がどのようにして僕らの中で固まってきたのか
どもども、punkchoです。
chiaki.ちゃんが製作&録音作業にちょっと時間がかかりそうらしいので、ちょっと別の話題でもしてみようかと。
音楽って言葉ありますよね。
僕らは当たり前のように音楽って言いますけど
実は「音楽」という単語を持たない民族がいます。
あるいは、音楽をあらわす単語と楽器をあらわす単語が同じだったり。
僕らは自分が育ってきた文化的環境とか時代とか
そういったものの中で世界を確認していき成長します。
なので、その舞台設定のなかで「音楽」というものを知るんですよね。
そして、「音楽」の概念は子供の時に固まります。
赤ちゃんの時から子供時代を経て思春期、そして大人になるにつれて音楽を経験していき「これが音楽だよね」というイメージを獲得します。
現代の日本で「音楽」っていうと
- 教育の中で学ぶ音楽
- テレビラジオネットなどで学ぶ音楽
が幼少期の音楽体験のほとんどを占めています。
お母さんやおばあちゃんの子守歌などもあるでしょうが、日常でわらべ歌を聴くこともなくなりましたし、そういう唄はNHKの子供番組ぐらいでしか聴くことはありません。
テレビやラジオがないころは土地に伝わる唄や祭りに根差した音楽が体験の大半だったはずです。
ところが音を記録することが可能になり、電波によって(変形することなく)転送する事が可能になりました。
こうやって音楽から地域特性(ローカル色)が消えて
電波の届く範囲では画一的な音楽体験を幼少期に迎えることになったわけです。
さて、そうなるとですね
どんな音楽が「電波によって伝播するか」が僕らの音楽観に大きな影響を与えるわけです。
今、テレビで流れている音楽の9割くらいはポピュラー音楽だと思います。
また、学校で習う音楽は五線譜を使い、西洋和声法や西洋楽器の習得を目的としています。
僕は西洋の音楽が嫌いではありませんが、しかし、このように偏った音楽教育がなされたことにより音楽観は狭く固定されたものになってしまったわけです。
(別に長唄や三味線を小学校で習ったとしてもかまわないと思いますが、実際には様々な事情があって学ぶきっかけがなくなってしまっています)
なぜ、僕がこういうことを書いてるかっていうと、
中学校の時の音楽の先生がとっても素敵な方でしてね、
正木先生って言うんですけど
「音楽ってなヨーロッパだけちゃうねん」
「世界にはいっぱいええ音楽があるねん」
と、言ったか言わなかったかはうろ覚えですけど
世界中の音楽のビデオを授業中に見せてくれました。
サウンドオブミュージックとかのミュージカルものとか
名曲アルバムみたいなのも見ましたし
いろんな世界の音楽の映像を見せてくれたんです。
いろんな地域の音楽を知ることができました。
今思えば、それが僕の音楽観に大きな影響を与えてくれたと思います。
(あとは、世界ふしぎ発見とか新世界紀行とかの番組が僕の人格形成に大きく影響しています笑)
で、そんな思春期を過ごしたものですから
音楽についていろいろな興味がわいてきて
いろんな地域の音楽をあさるようになりました。
インターネット黎明期に(98年くらいかな)とあるフォーラムかなにかでフィリピンの奥地の民族に伝わる音楽にまつわる情報を目にしました。
ちょっと気になって、いろいろそこから調べていくとルポ記事を発見。
そこにはトンガトンという名前の竹製の楽器を6組使って、6人で演奏する音楽があるよ。みたいなことが書いていました。
西洋音楽の常識がある人間がその光景を眺めると「音楽」に聴こえるのですが、その民族は「音楽」に相当する単語を持ち合わせておらず、楽器の名前も、演奏行為も、出てくる音もすべて「トンガトン」という言葉で束ねているのだと。
そう言う事を書いていたんです。
すごい、びっくりしましてね。
さらに、演奏も曲を演奏してるんじゃなくて、演奏にまつわるなんとなくのルールがあるだけで、楽譜もなにもないと。
あつまるメンバーとかその時の楽器の状態によって出音は変わるんだけど、演奏のルールは同じ。
youtubeさがしたらありました。
トンガトンこんな感じ。
これって、現代音楽でいうところのアルゴリズミック作曲ですよね?
ジェネレイティブミュージックって言ってもいいですけど。
譜面を再現する音楽ではなく
演奏ルールに則ってその場で生み出していく音楽っていう感じっていえばわかりますでしょうか?
まぁ、なんせ、衝撃でしたよ。
で、しゃあないから真似してみよかと。
自分で竹を切ってきてトンガトンつくって音楽仲間と演奏してみたりしました笑
何が言いたいかわからなくなってきましたが
音楽って譜面とか様式だけで縛られるものじゃなくて
もっともっと、僕らの想像の枠の外側にたくさん可能性が広がってるんだ!と。
こういうことが言いたかったわけです。
で、それからというもの僕は仲間たちと一緒に即興演奏を楽しむことを自分の音楽活動の中心にしています。
もちろん、いわゆる楽曲としてカチッとしたものも作るし、演奏もしますが、その場で生み出される音楽の面白さっていうのもあるよねって。
そんな音楽があってもいいんじゃない?っていう気持ちで演奏してます。
こないだスタジオに久々入りましてね。
たのしかったな~
おわり。